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Basic 002 ハイレゾリューションオーディオとは?

   

ハイレゾリューションオーディオとは何か?

CDフォーマットより細かく記録した、高分解能な機器や記録、伝送フォーマットの総称である。

人間の可聴周波数帯域は上限が20,000Hz程度と言われている。音量の大小(ダイナミックレンジ)は過酷な環境で無ければ、80dB程度の範囲である。そこから導き出された結果がCDフォーマット(サンプリングレート=44.1kHz、量子化ビット数=16(ダイナミックレンジ=96dB))で、ハイレゾとはそのCDフォーマットを上回る細かさのフォーマットである。可聴帯域外の周波数帯域である24kHz以上、ダイナミックレンジを96dB以上の部分まで記録、再生しようというフォーマットである。
例えるならば、ガラケーのドットがはっきり判る画面と、スマホのドットが判りにくい画面のようなもので、どちらも「字」を認識する事は出来るが、滑らかな表示でフォントの雰囲気などの質感も表現出来るのはスマートフォンである。

長所はアナログからデジタルに変換する時の「細かさ」が増す事で、スムーズで自然な音質が期待出来るところである。具体的な音への影響としては、歪み感の少なさや、空気感、音場感、定位が良い事が多い。

短所はデータ量が著しく増大する事であるが、CDが発売された当時(1982年)に一時間当り約600MegaByteのデータをハンドリングした事を考えると、96kHz/24bit 2chのWaveデータは1時間当り約2GigaByte(≒2,000MegaByte)であり、メモリーデバイスの価格が十分にこなれた現在(2018年)の環境では問題にならないレベルであると言えよう。

また、一般的には周波数帯域の事ばかりが言及されているが、時間方向の細かさが増した事による変換誤差の少なさによる音場再現能力の高さ、特に定位や奥行感に有利な事が多い。
仮に入力された音声信号の周波数の上限が22kHzまでであっても、タイミングや位相の部分においてハイレゾが有効であることに言及されていないところが、音源制作側、ピュアオーディオ側双方の業界的に残念なところである。
ハッキリ言ってしまえば、通過帯域が20kHz程度までのアンプやスピーカーでも時間軸方向のハイレゾの恩恵は部分的に受けられるという事である。
ということは、ある程度のポテンシャルを持つ機器を現在使用していれば、部分的な対応から十分楽しめる訳だ。

ハイレゾフォーマットでは、解り易く効果を感じられるのは生録やワンポイントステレオ収録の音源である。音場表現が自然で、再生環境にもよるが、生々しく立体感が素晴らしい事が多い。
サンプリングレートが上がった事により、高域の表現に妙に尖った感じが減り、よりスムーズである事も多い。シンバル系の音はもちろん、弦や管楽器にも効果が感じられる。

DAコンバータのローパスフィルター※1ローパスフィルター:任意の周波数より低い周波数成分を通過させるフィルター。サンプリングレートの半分より上の周波数に存在するノイズをカットする為に使用されるの設計にも余裕が出来る事で、音質に有利に働く事も見逃せない。この部分の優位性はアップサンプリング※2アップサンプリング:再生する音声ファイルのサンプリングレートをソフトウェアで補間して高い周波数のサンプリングレートに変換して再生する。補間の方法、周波数比によって音質が変化するでも効果がある。

ハイレゾ配信曲も全ての曲ではないが、録音もハイレゾでマスタリングもマキシマイザー※3マキシマイザー:ピークレベルを潰して平均音量を上げるプロセッサーの使用が控えめで良質なものがあるので、是非試聴して頂きたい。

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谷原 寿栄

谷原 寿栄

音楽業界で30年余年 ミックス/マスタリングエンジニア オーディオ製品開発のアドバイザー 趣味はオーディオとクルマ
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1. ローパスフィルター:任意の周波数より低い周波数成分を通過させるフィルター。サンプリングレートの半分より上の周波数に存在するノイズをカットする為に使用される
2. アップサンプリング:再生する音声ファイルのサンプリングレートをソフトウェアで補間して高い周波数のサンプリングレートに変換して再生する。補間の方法、周波数比によって音質が変化する
3. マキシマイザー:ピークレベルを潰して平均音量を上げるプロセッサー

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