Basic 005 リチウムイオンバッテリーのTips
2020/04/03
リチウムイオンバッテリーのHowtoとTipsについて書きたいと思う。
リチウムイオンバッテリーはメモリー効果※1メモリー効果:ニッカド電池等で起こる、放電中の一時的な電圧降下が少なく、エネルギー密度の高さにより高容量でも小さく軽く作れる電池であり、間違った使い方をしなければ、種類により異なるが300回〜数千回レベルの寿命を持つ便利な電池である。
最も気をつけてほしいところは、放電させたままの状態を続けると充電出来なくなる事があるので、注意してほしい。使わずに保存する場合は電池の充電率は50%〜30%程度にするのが望ましいと言われている。放電率は1ヶ月で5%程度と言われているので、3ヶ月に1回程度のチェックで寿命を大幅に減らさずに保存する事が出来る。
充電器は電池に合うものを必ず使ってほしいが、殆どの場合、電池と機器側で充電制御をしているので問題になるケースは少ないが、電池単体で購入したような場合には厳重に注意してほしい。
使い始めは完全放電から完全充電を行うのが望ましい。リチウムイオンバッテリーが出来た頃は3回以上行うと良いと言われていたが、筆者は製造後時間が経っていない感じのスマートフォン等は1回、良くわからない又はちょっと怪しい感じのものは3回行っている。
実際に使う時に疑問に思う事が多いのは、継ぎ足し充電の可否である。リチウムイオンバッテリーは継ぎ足し充電をしてもメモリー効果が少ないので、通常は継ぎ足し充電で問題無い。数ヶ月に1回、最低でも半年に1回ぐらいは使い切った状態からフル充電にすると、バッテリーの性能を活かす事が出来る。
継ぎ足し充電のアドバンスな技としては、放電深度を低くして使う。完全に充電しない、完全に放電しないを繰り返す。(パーセンテージで言うと、80%~40%や75%~25%等)時々完全放電と完全充電を行って、充電制御回路に容量を記憶させる。これによりサイクル寿命はかなり延びるが、筆者は面倒なので殆ど行っていない。
充電しながらの本体の使用であるが、充電電流が変化したり、場合によっては充電と放電が瞬間的に入れ替わる為、なるべく動作させないほうが良い。
充電したあと、そのまま充電器を繋いで通電したままの状態にしておいて問題が無いかについては、充電する機器によって異なる。スマートフォンの殆どは繋いだままでも過充電にならない充電制御回路が付いているので、寿命が短くならないようになっているが、スマートフォン以外は充電終了後数時間以内に充電ケーブルを外したほうが良い場合もある。
寿命は残容量が半分になったところとするのが一般的であるが、残量0で放置したり、電池が膨らんでいなければ、もう少し使える事が多い。
電池が膨らんできた場合には、搭載機器への物理的な損傷を避けるために、速やかな取り外しが必要である。取り外した電池はそのままにしておくと発火の危険性があるので、リサイクル出来るお店等に持ち込んで処理してほしい。リサイクル協力店などの検索は以下のリンクを参照願いたい。
一般社団法人JBRC
https://www.jbrc.com/
谷原 寿栄
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References
1. | ↑ | メモリー効果:ニッカド電池等で起こる、放電中の一時的な電圧降下 |