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Labo’s View 006 FX-AUDIO- FX-502J

   

『スッキリとしたサウンドが特徴のハイコストパフォーマンスモデル』

バッファにNE5532、出力段にTPA3116を使用した本機であるが、基板の取り回しや出力ローパスフィルタにECHUを使う工夫が最終的に音質面でどのように効果をもたらしているのか、しっかり聴いてみようと思う。

エージング前は少々硬めな音質。長めに72時間ほどエージングしたところで、硬さが程よく滑らかになってきた。
全体的には、フラットでスッキリ、意外と解像感の高さを感じる。スピード感もバランス良く、ノイズレベルの低さと合わせて、長時間のリスニングにも向いている傾向だ。
ローエンドは程よく伸びて、無理をしていない感じが好印象である。
ハイエンドはECHUの効果なのか、ザラつきを抑えた滑らかさがある。
定位はボケの少ないしっかりとしたフォーカス感があり、入力ソースの再現性がクラスを超えた感じがある。
音場は左右方向に対してセパレーションの良い広がり感があり、上下方向も少々感じられる。前後方向はなかなか健闘していて、中域を中心にホログラフィックな描写をするところに、基板のアートワークや部品選択が効いているように思われる。
特定の音楽ジャンルを選ばないスッキリとしたサウンドではあるが、コーラスパートの表現等で立体的で高解像度な部分に光るものを感じる事が出来た。

フロントパネルは電源スイッチとボリュームのシンプルな構成で、説明の必要が無い使い易さだ。
電源電圧は12V~24Vに対応しているが、音質面からは24Vをお勧めしたい。
DC-Input端子はしっかりしたタイプを使っているが、センターピンは2.5mmなので、2.1mm系のプラグを刺す時には変換コネクタが必要なので、注意が必要だ。

本機はオペアンプを交換して変化を楽しむ事が出来る。
OPA627では全帯域で立体感溢れる元気なサウンドになる。特にスピーカーの外側の音場表現力が飛躍的に向上する。解像度も強烈である。ソースの粗が見えてしまう程だ。
LME49720では、スピーカーの外側の音場表現力が高まり、高域の立ち上がりと量感が増え、解像度も向上する。
MUSES8920では直接音がクッキリとした実像感の高いサウンドが楽しめる。特にボーカルの出方が面白い。中域に少し個性が出てくるので、特にスピーカーやケーブルとの相性が重要ではあるが。

本機は交換でハッキリ変化するタイプといえよう。
保証が効かなくなるので、自己責任というのはいつも通りなので、しっかり理解した上で楽しんでほしい。

総括
フラットで癖の少ないバランスのスッキリとした音質で音場表現が豊かな本機は、ジャンルを選ばない万能機として魅力的な一台である。スッキリとコンパクトな外観と、それに見合わないピークパワーでスピーカーをしっかりドライブ出来る事もあり、オペアンプの素性をしっかり感じられる基本性能が嬉しいハイコストパフォーマンスモデルとしてお勧めする。

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谷原 寿栄

谷原 寿栄

1968年生まれ 音楽業界で29年 ミックス/マスタリングエンジニア オーディオ製品開発のアドバイザー 趣味はオーディオとクルマ
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