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Labo’s View 013 NFJ P01J

      2018/06/01

『超ハイコストパフォーマンスのコントロールプリアンプ』

Volのみのシンプルな構成のデジタルアンプの前段に置く事をターゲットに設計された、超コンパクト設計のコントロールプリアンプである本機は、オーディオ的なクオリティがどのくらいのものなのだろうか?いつもの事だが手加減無しで試聴してみる。

エージング前は少し細めの音で、音場も小さめのイメージ。価格を考えるとイメージの変化は少ないように感じるが、そこはNFJブランド。しっかりエージングを進める。
入力レベルには少し気を遣ったほうが良さそうであるが、歪みの感じはかなりマイルドなので、気付き難いとも言える。試聴はDACの出力を6dB下げて行う事にした。
数時間でバランスの整った感じになって、音場も普通になってきた。12時間程度で安定してきたので試聴に入る。
トーンコントロールリセット、BBE-OFF、3D-OFFの状態では、クセの無い、誇張の無い音で、それだけでも価格以上の価値を感じられる。ボリュームを絞っていった時にもイメージが崩れ難く、当然ではあるがギャングエラーも感じられない。また残留ノイズが少ない点もポイントが高い。
上記セッティングの場合、出力レベルは半分程度に下がる。
この部分はFX202A/FX36A FX252A FX98E等のベースゲイン設定切替DIPスイッチ搭載機には好都合で、ハイゲイン設定が使いやすく、ギャングエラー回避にも使える部分だ。
周波数方向にもフラットで、音場も大幅な変化が無く、音像も極端に大きくならず、基本がしっかりしている音に仕上がっている。
トーンコントロールの動作はBass、Trebleとも変化量は+-7dBと抑えめであるが、ギリギリ足りなく無い感じだ。動作する周波数はBassは少し高めでベースより上の男性ボーカルの低音域がひっかかるぐらい、Trebleは痛い帯域より、シンバル等の金物や管楽器の上の方が綺麗に出てくるセッティングで使いやすい。動作時の歪みは少なく位相変化も安定しており、積極的に使える。
BBEをONにすると、低域と高域の量と位相が変化する。入力側がテレビや圧縮音源やインターネットラジオで、出力側が明瞭度が低めのスピーカーの場合には、威力を発揮しやすいセッティングになっており、ヌケの良い明瞭度の高い音質になる。BBEのプロセスとして、歪み感は少し増す傾向だ。
3DをONにすると位相をかなり激しく制御しているようで、通常のオーディオ向けセッティングより、スピーカーの設置場所がトリッキーになってしまったような場合に効果を発揮しそうである。

DC-Input端子は通常の12V、センター+で2.1mm系である。
音声の入力がボディサイズの制限からなのか、ステレオミニジャックなのは惜しい感じがする。ユーザーには、なるべく高品位なケーブルを使ってほしいところだ。
コストはアップしてしまいそうだが、TUBE-01のサイズのボディで、音声の入出力ともピンジャックだと使いやすいだろう。
本機のSTBYスイッチのLEDの動作は逆(動作しない時に点灯がスタンバイ)に感じたが、この動作の時はOPERATION(OPE)のパネル表示が望ましいと思う。
トーンコントロールのリセット時のLEDの交互点滅は解り易く、ユーザーフレンドリーである。

本機はオペアンプを交換して変化を楽しむ事が出来る。お約束のように2回路変換基板にマウントしたOPA627APと交換してみたが、変化を楽しむ事は出来た。迫力は増すのだが、思ったより解像度等の変化は少なめだった。LME49720にすると繊細な感じの音質になり、これはアリかなと思う部分があったが、標準搭載のNE5532で十分バランスが良いという感じも受けた。
全ての保証が効かなくなる為、自己責任の範囲で楽しんでほしい。
電源にリトルスージーを使ってみたところ、微細な部分の表現力やリニアティーが向上したように感じられたので、持っている人には試してみる事をお勧めする。

総括
シンプルで高出力なベースゲイン設定切替DIPスイッチ搭載機にはとてもマッチングの良いコントロールプリアンプとして、コストパフォーマンスが高い。特に小音量側のボリュームの精度を改善出来るところは魅力である。テレビとの接続ではBBEが便利な局面があるので、積極的に使いこなしてほしい。

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谷原 寿栄

谷原 寿栄

1968年生まれ 音楽業界で30年 ミックス/マスタリングエンジニア オーディオ製品開発のアドバイザー 趣味はオーディオとクルマ
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