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Labo’s View 037 FX-AUDIO- FX-D03J FX-D03J+

      2020/04/04

『用途で選べる便利なコンパクトUSB-DDC』

かなりコンパクトで無駄の無いサイズのUSBバスパワーで動作するDDC※1DDC:デジタル/デジタルコンバータが発売されている。DDCはデジタル出力端子が装備されていないPCや、装備されているPCでもサンプリングレートがハイレゾ非対応であったりする場合に、簡単にデジタルオーディオ出力が追加出来る便利なアイテムだが、FX-AUDIO- 的にどのような仕上がりになっているのだろうか?追加で発売された「+」仕様との比較も含めて、一挙に2機種をレビューしたいと思う。

まずDDCについて簡単に説明すると、PCのUSB端子に接続して、デジタルアウト(S/PDIFやOptical)を出力するもので、基本的にはUSB入力を持たないDACやDAC内蔵アンプにPCからの信号を送る時に使うものである。デジタルの領域のみの動作なので、音質的な違いが起こり難いと思いがちであるが、そうでもないところがオーディオの面白いところだ。

2機種FX-D03JとFX-D03J+を比べると、ボディーサイズは同じで、出力回路のロジックICとパルストランスは同一のようで、コンデンサは一部異なっている。
異なる点は、
FX-D03JはVIA社製VT1728Aチップ
USBオーディオクラス1.0に対応
Sample Rates: 44.1K/48K/88.2K/96KHz
Supports Bit Length: 16/24bit
重量:93g
FX-D03J+はC-Media社製CM6642チップ
USBオーディオクラス1.0 及び 2.0に対応
Sample Rates: 44.1K/48K/96K/192KHz
Supports Bit Length: 16/24bit
重量:90g
である。
筆者の試聴時のMac OS10.6.8の環境下では、以上のサンプリングレートとビット数の対応であった。全てのサンプリングレートで24bitが選べるのはどちらも同じである。

FX-AUDIO- FX-D03J
FX-AUDIO- FX-D03J

FX-AUDIO- FX-D03J+
FX-AUDIO- FX-D03J+

このタイプのDDCにはあまりエージングを必要としないように思うが、念のため10時間程エージングしてから試聴に入った。信号を受けるDACはDAC-X6Jである。
比較用のPCの内蔵デジタルアウトにはMacBookProのOptical Outを使い、比較部分では全機種が対応している24bit/96KHzに設定した。

MacBookPro内蔵のOptical Outはとりたてて問題の無い、素直な音質である。
FX-D03Jは極僅かにスピーカーの外側の左右方向の表現が広く、精度が増す。
FX-D03J+はそれに加えて、極々僅かにスムーズな音の印象を受けた。

COAXIAL接続はMacBookにはないので、MacBookPro内蔵のOptical Outに対して
FX-D03Jは極僅かにスピーカーの外側の左右方向、前後方向の表現が広く、精度が増して解像度も上がった感じ。
FX-D03J+はそれに加えて、極々僅かにスピーカーの奧側の空間が描けるようになり、スムーズな音の印象を受けた。
FX-D03J+のサンプリングレート192KHzの場合は、それに加えて極々僅かに空間表現の精度が高く、更にスムーズな印象だ。
両モデルともロジックICでの増幅によるジッターの低減が効いているように思われる。
僅かな音質の違いはオーディオコントローラICのジッター特性によるところではと推測した。

FX-D03JとFX-D03J+のどちらを選べば良いのかを考えると、
FX-D03JはCDの44.1KHzの2倍の88.2KHzのサンプリングレートに対応
FX-D03J+は192KHzのサンプリングレートに対応
の2点が仕様部分の大きな相違点だが、CD等のサンプリングレート44.1KHzの楽曲をPC側の音楽再生ソフトウェアでのCDのキッチリ整数倍のオーバーサンプリングを行いたい時はFX-D03J、ハイレゾのサンプリングレート192KHzの楽曲や非整数倍のオーバーサンプリングを高精度に処理出来る音楽再生ソフトウェア(Audirvana等)を使っている場合はFX-D03J+をお勧めしたい。
両機種ともサンプリングレート44.1KHzには対応しているので、CD等のサンプリングレートが44.1KHzの楽曲をビットパーフェクトで楽しむ事は可能だ。


入力は両モデルともUSB TypeB端子でUSB1.1/2.0に対応しており、USBAudioClassはFX-D03J+のみ2.0対応である。PCとの間にPGNIIを入れると、極僅かではあるが、空間表現力が上がった。PGNIIの効果は極々僅かではあるが、OPTICAL接続よりCOAXIAL接続のほうが高かった。
出力はOPTICALのTOS-Link角型コネクターと、COAXIALのRCAピンジャックの2種類で、同時に使用しても干渉等の心配は無い。

総括
思った以上に使いどころのあるDDCであった。どちらか1台と言えば筆者はFX-D03J+を選ぶが、ロック系やEDM系等にはFX-D03Jも良い相性を見せるので、両方買いもアリだ。価格に対して音質への効果が十分にある、お勧めの逸品である。

余談であるが、H社の2019年モデルのAndroidスマートフォンではFX-D03Jはサンプリングレートが48KHz、FX-D03J+は96KHzでリンクした。(DAC-SQ5Jの表示で確認)
接続時のスマホ側の設定が全く無く、確認や変更は出来なかったのであくまで一例としてお伝えしたい。スマホとの接続はメーカー保証外なので、自己責任の範囲内であることも忘れないでほしい。

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谷原 寿栄

谷原 寿栄

音楽業界で30年余年 ミックス/マスタリングエンジニア オーディオ製品開発のアドバイザー 趣味はオーディオとクルマ
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References   [ + ]

1. DDC:デジタル/デジタルコンバータ

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